Sb Skateboard Journal TOP
Photo
以前、Sb本誌でシグネチャーシューズをテーマにエリック・コストンがどれほどのスーパースターであるかを思うままに書かせてもらったことがある。そのときは、シグネチャーの象徴でもあるNBAのスーパースターだったマイケル・ジョーダン(MJ)になぞらえた記憶がある。それは間違いではなかった。その後、彼はNBAを代表するチームのひとつであるレイカースに所属する現役のスーパースター、コービー・ブライアント(KOBE)ともコラボレーションしてシューズをリリースしたのである。そもそもスケートボードはスポーツとは言いきれないもので、スケートボーダーをアスリートと呼ぶには少し抵抗がある。それは良い部分だと捉えてもいる。しかし、時代は進化していくもの。アスリートと呼ぶに相応しいニュータイプもどんどん登場してきているし、カテゴライズするボーダーラインなどいとも簡単に飛び越えていってしまう。カテゴライズというワードがもはやナンセンス。それには大きく頷きたい。エリック・コストンをイメージするとき、希代のスーパーアスリート、MJをだぶらせたとしてもなぜか違和感を感じないのは、スケートボーダーにとってのヒーローは、今やキッズにとってのヒーローなのである。だから、コストンくらいまでになると、どういうタイプのスケートボーダーなのかを考えることも必要がない気がする。そしてそれは年齢なんかも凌駕してしまうものだとも思う。上手いのはもちろんだけれど、MJのフェードアウェイのように、KOBEのクラッチショットのように、KOSTONのメイクは美し過ぎる。いとも簡単に、鮮やかに、メイクしていく。おまけにスケートボードのフィールドは無限大で自由ときている。彼がメイクする記録と記憶はまだまだありそうだ。シグネチャーシューズKOSTONを片手に、かつてこの日本で彼自身によって数々のスポットレコードを生んだ名跡・六本木レッジを久しぶりに訪れてみる。F/s180nosegrind、Bluntslide、Bluntslide fakie out…そしてKickflip b/s5-0。それら「Chomp on this」や「Year right」などのスケビや当時の広告ビジュアルを飾った彼の勇姿を思い出しながら、フォトグラファーと言葉を交わす。そしてEric Kostonへのオマージュとして、写真を撮ることにしたのだった。

123