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TANGENT

サングラスが好き。今書こうとしているタンジェントもサングラスがきっかけだ。サングラス、アイ・ウエアというのは本当にたくさんあって、どれがどういいかなんていうのは、自分のリクエスト次第で当然変わってくる。値段なのか、フィット感なのか、デザイン性やフォルムなのか。シグネチャーモデルなのか、ステイタスなのか、実用性なのか。カラーなのか、心意気なのか、気分なのか。時代観や流行りとかもあるだろうけど、そんなのおかまいなしなザックリ感もいいなと言いながら、黄金期のシルベスター・スタローン主演のわりにはヒットしなかった映画「コブラ」のサングラス姿や名画「ロリータ」の赤いサングラスなんかを思い浮かべる。それに、カリフォルニアの80s青春映画「レス・ザン・ゼロ」のロバート・ダウニーJr.のダメっぷりとサングラスのハズしっぷりの最高さを思い出す。紫外線に関係なくサングラスが好き。で、そのサングラスというのは、モミアゲとヒゲとフレームの挿さり具合に妙技がどうもある気がしてならない。コーディネートや顔の雰囲気以上に、ミラー越しに自分のモミアゲ&ヒゲ君に様子を聞いてみるといいのかもしれない。その点でも、スケートボーダーはわかっている人が多いと思った。ザックリと、でも自分のスタイルにちゃんと挿しこんでいる。たとえ、それがチープなものでも高価なものであっても。ちなみに今回のタンジェントに挿しこんだサングラスは、抜群のフィット感にミラーレンズとフレームのカラバリで人気の「DANGSHADES」(ダン・シェイディーズ)のコラボアイテム。どことコラボしたかというと「LIBE BRAND UNIVS.」。スケートボーダーなら知らない人はいないと思うけれど、映像作家でプロスケートボーダーの森田貴宏氏によって1997年に設立されたFESNプロダクションのクロージングラインが「LIBE BRAND UNIVS.」。この数量限定モデル「NEW CLEAR VISION」(¥3,885)は、特製ステッカー付きでもうすぐ店頭に並ぶことになる。そして、このサングラスを取り扱うのはビジュアライズイメージ。スケートボードやスノーボード、サーフィンなど数多くの3Dなタイトルを取り扱う映像メーカーとしても知られている。幣誌のページ上でも長年にわたってイメージビジュアルを打ち出し続けてくれているメーカーのひとつである。そして森田貴宏氏は、Sbの基調となる企画に登場してくれるプロスケートボーダーである。Vol.2の人物企画、Vol.8の手記企画、さらにはVol.15の「1枚の板と4つのタイヤで何をしているの?」インタビュー特集など、彼の存在感やメッセージが誌面をしっかりとしめてくれた。プロダクトのデザインやマテリアルなど以上に、唯一無二の映像をつくりだす彼が主宰するFESNとフィルムメーカーとして国内外の映像を配給し続けるビジュアライズイメージ。いわばメッセージ性と「特化した姿勢」でインディペンデント(独立)する2つのアイコンがタッグしているところも、このサングラスの大事なところのような気がする。このサングラスはモミアゲ以上に、ハートにつき刺さるメッセージ「LIBE」について、いろいろ連想させてくれるものになるに違いない。KEEP ONすることの大切さと、それを凌駕する新しいタイトル。モミアゲとヒゲを整えながら、これからのサムシング・ニューに期待するとしよう。ちなみに次の夏まで、あと9ヶ月。

Senichiro Ozawa