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TANGENT

サングラスとスケートボード写真──。今では当たり前のようなこのナイスコンビも、10年ひと昔。それ以前においては本気アプローチのグラビアではなかなかお目にかからない組み合わせだった。もともと青い瞳の方にはサングラスは欠かせないアイテム。サングラスをかける理由。それは目の保護と保養のため。日射し避けのため。さらにはカッコイイため。いろんな意味で変装のため。スタイルのため。ヘアバンド併用のため。キョドりを悟られぬため。そして、夏だから!、サマータイムのため。夏男を自認する人間はスケートシーンにも多いけれど、この男の顔もすぐに浮かぶ。フォトグラファー、MURAKEN。タンクトップと上腕二頭筋とカメラと太陽。そんなもろもろを引っさげて切り取る絵は、青色深い真夏のスケートボードだった。彼は夏なサングラスがよく似合う。そして、そんな彼は2013年盛夏、大好きサマータイムならぬ「ゴールデンタイム」という1st写真集をリリースした。黄金色を反射させる彼のサングラスを思い浮かべながら、新しい夏がやってきたのだとここに強く記したい。サングラスとプールサイド──。スケートボードやバスケットボールなどをこよなく愛好するアメリカ人のナイスガイ。彼はフィジカルも強かったが、頭も最高に強かった。エリート出張組で普段は高層ビル街の谷間をスーツ姿で闊歩し、オフタイムはスケートボードでクルーズしていた。とある真夏日の昼下がり。待ち合わせ場所に現れた彼に言われたひとこと。「プールサイドにいるみたいだね」。たしかにそのときの自分は海パンにタンクトップにストローハット。サングラスは真っ白フレームがアイスクリームみたいでスウィーティーなSABREの「POOL SIDE」。本場の猛暑なるままインディアンサマーを知ってる彼は、プールサイドに格別の思い入れがあるようだった。勢いサングラスをかけたままプールに飛び込む自分を想像して空を仰いだ。サングラスとスケートボードブランド──。今ではスター・スケートボーダーがプロデュースしたり、いろいろなスケートブランドがアイ・ウエアをリリースしている。シンプルで普遍的なアイテムと思われていたサングラスが、それこそカラーバリエーションやグラフィックデザイン、フレームやレンズの特性、シグネチャーモデルやメッセージ性、そしてプライス幅など、あらゆる角度でセレクトができるようになった。ブランドごとにスケートボードに対するそれと同じように自由度が高くてさすが!って思う。スケートボーダーだけでなくいろいろなユーザーにとっても、これは楽しいはず。ディグればディグるほど沢山のモデルがあってサブストーリーも知れたりする。そんなサングラスな夏にリリースされた今Sb誌上に、軽やかに、どんな風にでもフィットするブランドが初登場した。それがマイクモー・カパルディとその兄ヴィンス・カパルディがスタートさせたアメリカ青空発信の"GLASSY SUNHATERS"。リーズナブルで高品質。さらにライダーリストが豪華。サングラスとスケートボードの軽快なコンビネーションを文字通り体現する感じで、気さくにどんどんフックしている感じがいい。そういえば、アーティストHAROSHIとのコラボレーションアイテムも出たりとトピックにも事欠かなそうだけど、とにかく百聞は一見にしかず。南中高度の下で太陽を仰ぎ見てるであろう真夏なあなたのセレクトに一興どうぞ。

Senichiro Ozawa