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TANGENT

[photogenic]...直訳すれば被写体になる。それに[skateboard]をつけたらどうだろうか。個人的な撮影においては標準レンズがしっくりくるけれど、スケートボードを撮り続ける人や、スケートボーダーの目には、レンズ以外にもスケートボードという普遍的なものが装着されている。もしかしたら、肉眼では気づかないけど良く見えるものだったり、一般的にかっこいいと言われてなくても写真に撮るとすごく良いものだったり、改めてわかることもあるだろう。そして、あくまでもそれは撮る人の個人的なものであり、他の人と共通しない、みんながみんな100%いいという風にはならないものなのかもしれない。巷のアマチュアカメラマンが撮りたがる富士山や夕焼けといったフォトジェニックを遥かに超えた、それでいてわかりにくい、そんな風にぐっと幅が出るものになるに違いない。過去にもSbでは、[diaspora]や[journey]などの特集キーワードにその[skateboard]を装着してテーマとしてきた。フィルターなのかレンズなのか。はては心の入り口やコアや目線なのか。とにかくそれは、とってつけたものではなく、後乗せサクサクでもなく、いつ本を開いたとしても読者に放射する矢印になっていると思っている。ということで、2012年もすでに折り返し地点の6月。気がつけばスケートボーダーにとっても最高のシーズンが訪れている。初夏から夏、秋にかけて気候的にもフィジカルの部分でも滑るにはもってこいの最高のシーズンを迎えようとしている今、次号Sbでは「被写体としてのスケートボード」の魅力についてページを綴るべく画策中。面白いのは、フォトグラファーとスケートボーダーの関係、趣味と趣向、スタイル。それは撮る側と撮られる側の相性や好みもあり、その数の分だけ、フォトジェニックは存在する。その多様性がもうひとつのキーワード。そんなSb Vol.20、「skateboard photogenic」は7月下旬にリリース。それと、ちょうど一年前に24時間限定で展開したWeb企画、Sb "FILL" HARMONY の第二弾も現在画策中。ある日突如として、Sbのホームページがアーティストの絵にジャックされることに。さらに今回は期間も延長し、フルボリュームのオーケストラを組む予定。新陳代謝もよくなって、コンディションが上がる夏。ノット・フィーリングスモールで、最高の季節をエンジョイ謳歌していきましょう。

Senichiro Ozawa