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TANGENT

こないだリリースしたSbはジャーニー・イシューだった。こないだと言ってももう2ヶ月以上が経っている。さまざまなニュースやトピックスが流れ出て、トレンドの潮目も変化に富むこの社会の時間軸から離れたところにいると思われてもいたしかたない。日々、世界中では良い知らせも悪い知らせも駆け巡っている。ナポレオンがユーラシアを席巻した頃から、情報集積力とその発信力が物をいうようになったとも言われている。少し話が逸れてしまった。で、Vol.19になるジャーニー・イシュー。先日、友人たちに異口同音に「Vol.19と言っても、バックナンバーのどれがVol.3で、どれがVol.15なのかもわからない」と指摘された。そう言えば、どの号をとってもどこにもVol.を明記してなかった。もしかたら、バックナンバーのすべてを揃えてくれているありがたい読者さんの本棚の背表紙も間違って並んでいるかもしれないと思った。また少し話が逸れてしまった。ニュースについて。あの大震災以降、毎日、新聞を広げてすべてに目を通して、少しでも希望の何かが光る記事をひとつ見つけてスクラップしていた。どんなことでもいいから、"拳にかすかでも力が伝わる出来事"を見つけようと思った。それは自分のためなのか。何のためか。わからない。とにかく、夢想ではなくこの厳しい現実の中から、人間が絞り出す希望の何かを見つけたかった。ニュースは一分一秒更新されていく。そしてそのニュースの集積に「主題」を見出せば、残っていくものになる(それもまたジャーニーと言ったらダメだろうか)。今回のタンジェントは春がまた巡って来たこの列島のスケートシーンへニュースをひとつ。それはこの20年、スケートボードにおけるナショナルブランドとして世界を旅してきたELEMENTによるコンテンツ盛り沢山のジャパンツアーについて。Nyjah Huston、Levi Brown、Mark Appleyard、Nick Garciaといった来日ライダーに前田正義、阿部直央、川渕裕聡の日本勢も加わって、今月14日の長崎での"Make It Count"コンテストを皮切りに北上するこのツアーのトリは、22日にELEMENT STORE 原宿でのプレミア。そこで世界先行で最新タイトル「Future Nature」が上映される。季節の変わり目に、スケートボーダーにとっては朗報となるこのニュース。またひとつ前進です。

Senichiro Ozawa